シンガポール最大のREITイベント REIT SYMPOSIUM 2017

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先日シンガポール最大のREITイベントであるREIT SYMPOSIUM 2017に参加してきました。昨年はタイミングを逃して参加できなかたため今回が初参戦。

 

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セッションは大きく分けて2つ

・個別銘柄のプレゼン(下記銘柄) 

VIVA,OUE,SPH,Ascendas H, Solibuild,Suntec, BHG, Phillip AsiaREIT ETF

・パネルディスカッション(下記2テーマ)

海外物件を保持するREITは安全か? REITを10年buy&holdするのは良い選択肢か?

 

*それぞれの銘柄詳細については別記事でまとめる予定。

 

セッションとは別に個別ブースではCapitaland系列やAssendasも参加していました。

 

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さすがシンガポールリートの最大イベントということもありかなりの熱気。

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参加年代は50-60代の人が多かったですね。シンガポールの投資セミナーに参加すると思いますが、やはり年配の人が多いです。(これは日本も同じ?かな)

 

セッションの中でも各REITのCEO含めたパネルディスカッションで議論された内容を簡潔にまとめると以下・

 

<テーマ1>海外物件を保持するREITは安全か?

 

日本からアジアREITの投資を考えてる時点ですでに海外物件への投資についての不安はあまり感じてないですが。。。内容としては割と基本的なチェック項目で

・スポンサーをしっかりチェックする

・監査人によって厳しくチェックもされておりIR上でも明瞭に記載されているため、シンガポールREITについては不安は少ない。

シンガポール上場のREITでは中国やオーストラリア、インドに投資しているものが多く、各国のマクロ情勢を抑えておくとなおよし。

パネラーに中国物件メインのBHGの方がいたこともあり、中国物件の管理や体制についての話を深堀していました。

 

<テーマ2>シンガポールREITは10年以上の長期投資に向いているか?

 

⇒もちろんYesというにきまっています笑。ただそれを下支えする内容は

・ 高い利回り、海外からの旅行者含む流入者が増えているマクロ状況

 ・現在は米国金利の上昇局面でREITにとっては逆風だが、長期で見ればインパクトはそこまで大きくなく、Revでカバーしていけるかどうかというのがポイント

・P/E rationのvaluationに配慮した投資を実施していくことがより確度を高めるために重要

 

というのが包括した意見で、最もだなというところ。

 

Growthトラップに配慮する必要はありますが、アジアへの投資は引き続き魅力的ですし、アジア圏内でこれだけIR環境も整って投資できるシンガポール銘柄を経由してアジア投資を進めていくことは良い選択肢だと思います。

 

日本にいるときにもリートフェアは毎年参加していましたが、こちらのシンポジウムも発見の多いイベントとなりました。

アジアリートの投資信託に含まれている銘柄

日本でも日銀やGPIFがTOPIX指数のETFやRIETを購入していますが、投資信託から資金が流入する銘柄は株価の安定にもつながりますし、マーケットの上昇に合わせて価格が上昇していきやすいです。特に株式市場に比べて市場規模の小さいREIT市場ではそのインパクトも大きいです。

 

シンガポールREITの中では、どのような銘柄が買われることが多いのか?

モーニングスターアワード「ファンドオブザイヤー2016」にも選ばれた

アジア好利回りリートの投資信託の中身をチェックしてみましょう。(2017.04.28月次レポートより)

 

1.LINK REIT(香港)

2.ASCENDAS REITシンガポール

3.CAPITALAND MALL(シンガポール

4.STOCKLAND(オーストラリア)

5.GOODMAN(オーストラリア)

この上位5社で35%の比率を占めます。

 

シンガポールREITの中ではTOP10の中にもう一銘柄

KEPPEL DCが10位で入っています。

こちらはデータセンターに特化したREITで今後需要増が見込まれるセクターのため、注目の銘柄といえます。

 

ファンド内での国別の配分は

1位:シンガポール 43%

2位:オーストラリア 32%

3位:香港 20%となっています。

 

アジアREITの中でもシンガポールはValuation面で割安のため、配分も多くなっているようです。

アジア好利回りリートについては、下記サイトで詳細を確認できます。

www.smam-jp.com

 

 

 

REIT市場 5月動向

先月同様、毎月発行されている三井住友アセットのREIT市場動向が昨日リリースされましたので、内容を見ていきましょう。

 

<概況>

北朝鮮やシリアにおける地政学リスクのあった月でしたが、長期金利の低下により海外REITは好調に推移しました。一方、対照的にJ-REIT軟調に推移しました。

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シンガポールREIT指数については前月比+2.3%と二ヶ月連続での上昇となっています。 直近1年で+10.7%,半年で+5.6%と現地通貨ベースで堅調な値動きです。

 

特に重要な指標であるイールドスプレッドについて確認してみましょう。

イールドスプレッドとは、「配当利回りと10年国債の利回りの差」であり、割安感割高感を計る指標として用いられます。この数値が大きいほど、割安感があるといえます。

 

4月末時点での数値は下記グラフの通りで、シンガポールREITのイールドスプレッドは3.7%と前月末時点の4.0%よりは減少したものの、引き続き高い数値となっており、投資旨みのある水準をキープしているといえます。

 *ちなみに、J-REITもイールドは3.8%(前月末+0.2%)とシンガポールREIT以上に魅力的な水準になっています。

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配当利回りが 6%弱のシンガポールREITはイールドスプレッドの観点からも依然として魅力的であると言えます。

 

出典:

http://www.smtam.jp/shared/pdf/report_column/HPREITreit20175.pdf

シンガポールREITの種類

REITには保有物件の目的別に色々と種類があります。

それぞれの特徴とシンガポールREITでの該当銘柄を見ていきましょう。

 

・商業施設特化型(Retail)

ショッピングモールを中心とした商業施設特化のREIT.

 平均配当利回りは6.4%(2017年5月8日時点)

シンガポールではこのカテゴリーが最も時価総額も大きく、平均利回りは比較的低い。

この点はJ REITとは異なるので注意が必要。

 

主要銘柄

CapitaLand Mall

Mapletree Commercial

 

・オフィス特化型(Office)

 オフィスに特化したREIT。一級地に構えるオフィス物件を抑えている銘柄も多い。

家賃変動など、景気による影響は比較的大きいREITである。

シンガポールの場合、配当も高めで平均6.8%で推移している。(2017年5月8日時点)

ちなみにJ-REITでは一番規模が大きいカテゴリとなっている。

 

主要銘柄

CapitaLand CommertialTrust

Keppel REIT

Suntec REIT

 

・産業/物流特化型(Industrial)

倉庫等、物流施設に特化したREITシンガポールは物流拠点としても機能していることから、比較的安定した値動きをしている。

平均配当利回りは7.6%と高水準(2017年5月8日時点) 

 

主要銘柄

Ascendas 

Mapletree Industrial

Mapletree Logistics

Frasers Logistics & Ind  

Keppel DC 

 

・ホテル特化型(Hospitality)

景気変動を受けやすいカテゴリである。観光での需要だけではなく、シンガポールはアジアのハブであり、国際的なイベントや東南アジアからのビジネス需要にも支えられている。

平均配当利回りは6.8%(2017年5月8日時点)

 

主要銘柄

Ascott Residence

CDL Hospitality

Fraser Hospitality

 

・ヘルスケア特化型

 シンガポールでは下記2銘柄のみ。平均配当利回りは5.8%と低め。(2017年5月8日時点)現在J REITで上場しているものでも利回りが5%程度あるので、あまり魅力的とはいえない。ただ、シンガポールでも高齢化は問題となっているので、将来性はあり。

 

ParkwayLife

First Reit

 

 以上、基本的にはJ REITやUS REITと同様のカテゴリですが、シンガポールならではの特徴があるので、上記を踏まえて理解しておくことは重要です。

 

 

 

 

 

なぜシンガポールREITか?

トランプ相場が始まって以降、好調な株式市場とは対照的にREIT指数はあまり伸びていない状況です。

下記リンク先の記事にもある通り、海外REIT投信での流出も多くなっています。

 

diamond.jp

 

そもそも利回り20%を謳っているこのような投資信託が続くわけがありません。毎月分配は税金の面からもリターンを下げる要因になります。

REIT投資のデメリットでもありましたが、現在のような金利上昇局面では、REITの借入コストが増加してしまうということもあり、買われにくい状況となります。 

 

ただ、逆に指数値が伸びてないおかげて、魅力的な利回り水準で買うことができるとも言えます。

各国REITのスプレッドイールド(REIT利回りと、各国金利の差分)を見てみると、以前紹介したグラフの通り、 シンガポールREITは利回りが7%超え、イールドも4%近くとなっています。

 *2017/4 現在

 

 この魅力的な水準にあるという点が、今シンガポールREIT投資を行う1つの要因です。

 

さらにシンガポールREITは世界のREIT市場の中でも上位の規模、マーケットの規制も整っており、長期投資を実施できる環境にあります。

 

世界の中でもマーケットが大きく伸びているアジア市場で不動産投資を実施できる点も魅力です。シンガポール上場のREITはアジア周辺国やオーストラリアの物件に投資しているものも多く、分散効果もあります。

 

上記のような理由が、シンガポールREITに投資するインセンティブになってきます。

 

CapitaLand Mall  FY17 Q1決算 予想通りで株価堅調

シンガポールREITの発足と同時に最初に上場したCapitamall REIT

今週発表された第1四半期決算についてみていきましょう。

 

株価: S$2.00  (as of 21 Apr 2017)

Gross Revenue: S$172.0 (YoY -4.3%)

Net property Income: S$ 120.1 (YoY -6.1%)

Destibutable Income: S$97.0 (YoY +0.2%)

DPU(配当金): 2.73 ( YoY ±0% )

配当利回り:5.5%

 

 

不動産収入の実力値を計るNPI は前年比で悪化しています。理由は"Funan"という施設のリノベを実施しているためです。(2016年7月よりリノベ実施。2019年Q4完成予定)。

 

ただ、このFunan以外にも各物件の売上も前年比で微減しているものが多い点は若干気になるところです。

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各物件の占有率は97.7%と、前四半期比で-0.8%となっています。

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balance sheetでの負債比率は35.3%, 平均負債利率は3.2% とこちらは前四半期から大きな変更はありません。

 

<今後の予測>

Capitamall trustはシンガポールREITを代表する大型REITで、来年以降も現状維持の予測となっています。

DPU予想

FY16 :11.1(cents)

FY17 :11.1(cents)

FY18 :11.1(cents)

 

安定した配当再投資戦略には合格の銘柄だと思います。

REIT 市場 4月動向

毎月発行されている三井住友アセットのREIT市場動向について。

このレポートにはREIT市場の現状を把握する上で重要な事項が簡潔にまとめらており、

必ずチェックしておくことをお勧めします。

 

<概況>

3月のFRBの利上げに伴い、J-REIT海外REIT共に軟調に推移しました

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シンガポールREIT指数については前月比+1.83%となっています。

 

特に重要な指標であるイールドスプレッドについて確認してみましょう。

イールドスプレッドとは、「配当利回りと10年国債の利回りの差」であり、割安感割高感を計る指標として用いられます。この数値が大きいほど、割安感があるといえます。

 

3月末時点での数値は下記グラフの通りで、シンガポールREITのイールドスプレッドは4.0%とグローバルREIT市場で最も高い数値となっており、投資旨みのある水準をキープしているといえます。

 *ちなみに、J-REITもイールドは3.6%と比較的魅力的な水準になっています。USリートはスプレッドでは魅力がなくなってきていることがわかります。

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配当利回りが 6%を超えているシンガポールREITはイールドスプレッドの観点からもやはり魅力的であると言えます。

 

出典:

http://www.smtam.jp/shared/pdf/report_column/HPREITreit20174.pdf