BHG Retail REIT

シンガポール上場リートの中には、シンガポール国外の物件への投資をしているものも多く、特に、オーストラリア、中国、日本、の物件に投資しているREITが多いです。対照的にJ-REITの大半は日本の物件のみに投資しているものが多いです。日本と異なり、シンガポール単体では国土が狭く、マーケット規模も大きくないことに起因しているのかもしれません。

 

今回取り上げるのはBHG Retail REITで、中国のショッピングモールへ投資を行うリートになります。

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www.bhgreit.com

 

時価総額: 366 M S$

投資価格: 0.735 S$

売上: 315M RMB=約51億円(FY16実績) 

1株当たり配当:5.45 cents (FY16実績)、1.35cents(FY17 Q2)

配当利回り: 7.32% (as of 8thAug. )

 

配当利回りは中国への投資ということもあり高めです。

 

中国主要都市に5物件保持しており、旗艦物件は北京のWanliu Mall

 

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 その他4物件は以下

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どの物件も高い占有率を維持できており、上手く管理できていることがわかります。

 

Gearing rationは32.4%と低めで、追加での投資余地を残しています。

 

 

中国のリテールREITということで、主なリスクとしては主に以下2つ。

チャイナリスク

・e-コマースの脅威

 

 特にリテールREITにとってe-コマースの成長への対策は重要で、BHGの年次報告書のスライドでも丁寧に説明されています。

米国株も、Amazonの台頭により、Macy's やTargetなど軒並み小売株が軟調に推移していますしね。

 

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中国でのオンライン・リテールの成長率は2015年で36%、全体のリテール消費の13.5%を占めています。2018年予測値ベースでも年20%成長と、高い成長率が見込まれています。

 

 

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一方、Online to Offlineという流れも加速しており、Amazonやオンラインで成功している企業がこぞって実店舗を出していることからも、リアルな店舗をもつことの強み・メリットも今後はより出てくるのではと思います。

 

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 中国のリサーチでもショッピングが家族で過ごす楽しみな時間と答えている割合も高く、どのようなイベントを実施し集客していくか、より顧客が楽しめる場を提供できるかによって、リテールREITの価値は大きく変わりそうです。

 

参照元BHG Retail IR

 

 

 

シンガポール REIT好調 年初から17.6%リターン

シンガポールリートが好調という記事がでています。

www.straitstimes.com

 

REIT8月動向の記事でも少し触れましたが、他国のリートに比べてもパフォーマンスは好調です。それまではシンガポールリートはなかなか価格が上がってこず、出遅れていたことも一因ではありますね。

注目は一番規模の大きいAscendasリートが21.4%リターンを出している点。J-REITや国内外株式と比較しても利回りが高いことがみて取れます。規模の小さいものは7%台8%台も珍しくありません。

 

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記事の最後にはASIAリートETFの件についても触れられています。シンガポールでも2本のETFが2016年2017年と立て続けにリリースされ、そちら経由でも資金が流れてきているのもS-REIT好調の1つの要因です。

前回の記事で紹介した通り、日本からでも、今回新規にリリースされた日興のアジアリートETFが購入できるので、ポートフォリオの選択肢としてもよいかなと思います。

ただ、気をつけないといけない点としては、世界的に金利が上がっていく傾向にはあるので、それはリートにとっては向かい風になります。

 

参考記事:

singaporereit.hatenablog.com

 

 

 

 

日興AM 上場アジアリートETF

少額で分散投資ができるのが魅力なETF。その中でアジアリートに投資できるETF

上場アジアリートETFを紹介したいと思います。

 

www.nikkoam.com

 

日興アセットマネジメントから出ているETFで、東証にも上場していますが、実はその前にシンガポールでも上場していて、同一のものになります。 

東証には2017年6月29日に上場したばかりで、下のチャートをみてもわかる通りまだ過去トレンドはチャートでは確認できません。。

 

 

 

 連動している指数:リート指数:FTSE EPRA/NAREITアジア(除く日本)リート10%キャップ指数

手数料:0.708%

 

 となっており、米国ETF等々と比べると若干高いかなーという感じですが、

新興国やアジアに投資するETFとしては妥当な水準ではあります。

 

指数を構成している銘柄は

日本を除くアジア各国の上場不動産投資信託(およびそれに類する有価証券)の投資収益を時価総額で加重平均し、指数化したものです。個別銘柄の組入比率は、リバランス時において最大10%に制限されています。
構成銘柄および組入比率は、毎年3月、6月、9月および12月に見直しを行います。

 

と記載されている通り、四半期ごとに見直しが入ります。

下記海外サイトの記事で確認すると、現状の大枠としてはシンガポールへ60.5%, 香港23%で残りがマレーシア、中国、インドネシアといった比率になっているようです。

 

 

dollarsandsense.sg

 

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ETF上場時に作成されている、下記特集サイトはアジアリートについて詳しく書かれており参考になります。成長性と利回りの2点での魅力が特に強調されていますね。

www.nikkoam.com

 

ちなみに、アジアリートに投資できるETFシンガポールでは2本あります。

1つは今回の日興AMのアジアリート、もう1つが、Philipsから出ているAPAC REIT ETF。2つのETFの大きな違いはPhilipsから出ているETFにはオーストラリアのリートが組み込まれている点です。下記海外サイトでまとめられていますが、シンガポールリートに多く配分したいと考える場合は、日興AMのETFがより最適で、オーストラリアリートへの分散を考える場合、後者になります。

(個人的にはオーストラリアへの分散を考えるのであれば、通常のグローバルリート系の投信を買えば包括できるのではと思ってます。)

 

Singapore REIT ETFs: Nikko AM-Straits Trading and Philips-SGX APAC REIT ETFs compared

REIT市場 8月動向

いつも定点観測として参照している、毎月発行されている三井住友アセットのREIT市場動向がリリースされましたので、内容を見ていきましょう。

 

<概況>

7月は前半と後半で大きく動きが異なり、前半はECBの出口戦略の発言に伴い、価格は下落しました。一方、後半は欧州のハト派発言がみられ、長期金利の低下に伴い価格は上昇に転じました。

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特に香港やシンガポールのアジアREITについては2017年に入り、一貫して上昇しており、それぞれ前月比+6.96%、+2.2%と堅調に推移しています。米国・日本・オーストラリアのリートTOP3国は停滞基調が続いています。

 

特に重要な指標であるイールドスプレッドについて確認してみましょう。

イールドスプレッドとは、「配当利回りと10年国債の利回りの差」であり、割安感割高感を計る指標として用いられます。この数値が大きいほど、割安感があるといえます。

 

7月末時点での数値は下記グラフの通りで、シンガポールREITのイールドスプレッドは3.5%と減少傾向にあります。堅調に指数価格が上昇しているので仕方がないことではありますね。ちなみにJ-REITのイールドは投資価格の下落も寄与し、3.8%と一番高くなっています。

 

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投資信託などで海外リートを保有している場合は、比率の高い米国やオーストラリアの利回り差が小さくなってしまっているので、積極的に投資を進めるタイミングではないように見えます。(もちろん長期視点での積立てをしている場合は、スポットでのタイミングはパフォーマンスに大きな影響を与えるわけではないので、気にする必要はないです。ここらへんはREITも株も同じですね。)

 

出典:

http://www.smtam.jp/shared/pdf/report_column/HPREITreit20178.pdf

Mapletree Commercial Trust REIT Fy2017Q1決算

シンガポール大手Mapletreeが運用している3リートの中の1つ、Mapletree Commercial Reitの2017年第1四半期決算についてみていきましょう。

Mapletree Commercial REITシンガポール最大のショッピングモールであるVIVO City、さらに大型ビジネスパーク含めたオフィス系物件を保有するREITです。

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  *写真はMapltree HPより:http://www.mapletreecommercialtrust.com/

 

今回の決算もよかったです。

 

株価: S$1.605  (as of  31 Jul 2017)

Q2

Gross Revenue: S$107M (YoY +38.8%)

Net property Income: S$ 84M (YoY +49.6%)

Destibutable Income: S$ 64M (YoY +48.2%)

DPU(配当金): 2.23 ( YoY +9.9% )

配当利回り:5.5%

 

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ビジネスパークMBCⅠを取得したことにより、YoYでNPIが50%近く成長しています。1株あたりの配当金も約10%成長と、申し分ない実績です。

配当利回り5.5%とシンガポールREITの中では高くありませんが、トップクラスの優良物件を保持し、最高の安定性をもつ銘柄として魅力的です。

 

保持している物件は中心部に5物件で、そのうちVivo CityとMapletree Ansonはretailとオフィスを含んだ物件になり、残り3物件はオフィス・ビジネスパークになります。全てシンガポールでAクラスの物件です。

各物件の売上比率としては、VivoMBCⅠの2物件で8割弱を占めますので、この物件の占有率など上手くコントロールできているかが重要な項目になります。

 

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続いて占有率を確認しましょう。

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 98.1%と好調です。KEY物件のVivoMBCは99%を維持しています。

 

総括して、優良物件を有し、マネジメントも上手く機能していることが、今回の好決算につながったと言えます。

 

資料:スライド

Keppel DC REIT FY17 Q2決算

シンガポールRIETの中で唯一のデータセンターREITであるKeppel DC REIT

2017年第2四半期決算についてみていきましょう。

堅調な実績で推移していることがわかります。

カテゴリーとしても有望で個人的にも注目度の高いリートの一つです。

 

株価: S$1.295  (as of  28 Jun 2017)

Q2

Gross Revenue: S$34.5M (YoY +38.8%)

Net property Income: S$ 31.3M (YoY +41.9%)

Destibutable Income: S$20.1 (YoY +36.5%)

DPU(配当金): 1.74 ( YoY +4.2% )

配当利回り:5.56%

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NPI二桁成長と、高い伸び率を維持しており、株価も高値圏で推移しています。

占有率も93.1%と高い水準を維持しています。

 

Keppel DCが保持している物件はシンガポールのみならず、オーストラリア、ヨーロッパ圏(UK,オランダ、ドイツなど)と分散もされています。ここのところはユーロ通貨もあがってきていますが、通貨という観点での分散も以下の表のとおり、上手く分散されています。

 

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IoTやAIなど、テクノロジー関連へのマーケットの関心が増える中で、それを支えるITインフラ関連の投資については、冒頭にも記載した通り、伸びしろがまだまだあるカテゴリだと思っています。

 

資料:Keppel DCサイト

CapitaLand mall FY17 Q2決算

CapitaLand mallのQ2決算の発表でした。

全体としてコンセンサス通りの決算でした。

 

売上(Gross Revenue)はS$168.6 M , YoY -1.3%となったものの、

NPI(Net Propaery Incom) S$117.5 M, YoY+1.2%

DPU 5.48 cents ,YoY +0.2% とYoYで若干の成長を見せた結果でした。

 

ポートフォリオの占有率に大きな変化はなく、98.6%,Funanのリノベーションも着々と進んでいます。

 

配当利回りは5.6%と大型REITらしく安定的な横横の水準を維持しています。

 

資料: